スープでチキンライス
しかし、舞茸で黒くなってしまったので、呻吟中。
(ごはんラボ)鶏とトマトとキノコのスープ うま味素材、出会いの幸
有料記事
2019年10月11日05時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14214325.html今週から4回のテーマは「だしとスープ」です。目指すのは使い道に合わせ、手軽な方法でだしやスープを作ること。体を温めてくれる汁物や、ジュワッとだしがあふれる煮物など、家で食べたい料理のレシピを工夫しました。
まずは「鶏とトマトとキノコのスープ」から。手順は簡単なのにホッと体に染みる深い味わいは、グルタミン酸、イノシン酸といった「うま味」を出す素材を選んで組み合わせているからです。
鶏手羽元は肉も皮のゼラチン質も生かせるスープ向きの部位。酒と煮立てると臭みが飛び、すっきりしたコクが出る。一段上のおいしさになります。ここにトマトとマイタケを加え、うま味も香りもアップさせる作戦です。料理監修の有馬邦明シェフは「鍋の中でスープを育てていく感覚です」。
アレンジでは、完成したスープにしょうゆをたらり。好みの薬味を添えて、だし茶漬けにしました。「洋」から「和」への大変身です。(編集委員・長沢美津子)
■鶏とトマトとキノコのスープ(監修 料理:有馬邦明、調理科学:川崎寛也)
材料・道具(3人前)
□鶏手羽元 6本
□ミニトマト 6個
□マイタケ 1パック(100g)
□ニンニク 薄切り2枚
□日本酒 150ml
□水 800ml
□塩 小さじ1
□まな板と包丁
□鍋とおたま
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1 ミニトマトはへたを取って半分に切る。ニンニクは薄切りにする。マイタケは一口大に手で裂いておく。
2 鍋に日本酒と鶏手羽元を入れて中火にかける。日本酒をしっかり沸騰させるのがコツ。アルコールが蒸発する時に、肉の臭みも一緒に飛ばしてくれる。
3 ニンニクと水を加える。沸騰したら浮いてきたあくを取る。火を弱めて表面が静かに波打ち、鍋の2~3カ所が沸いている状態を保って20分ほど煮込む。スープが濁るのでふたはしない。途中であくが出たら取る。味をみて、鶏のうま味や香りを感じればOK。
4 塩、ミニトマト、マイタケを加える。火を少し強め、トマトとマイタケの味がスープになじむ程度に5~6分加熱する。軽く混ぜてスープの味をみると、うま味も香りもぐっと増している。塩が足りなければ好みで調整する。
◇Arrange
<鶏だし茶漬け> 洋風に作ったスープが調味料と薬味のアレンジで和風に。具は別に食べて汁だけをご飯にかけてスープ茶漬けに。「鶏とトマトとキノコのスープ」が出来上がったところに、しょうゆ小さじ1を加える。薬味は白菜の漬物とミョウガをそれぞれ刻んだもの。茶わんにご飯を盛ってスープをかけ、薬味をのせる。薬味はワサビや梅干しなども。スープが足りなければお茶で割るといい。
◇Cookery Science
食品が含むうま味成分は主に3種類。昆布、トマトなどの野菜、発酵食品に多いのは「グルタミン酸」で、肉や魚は「イノシン酸」だ。「グアニル酸」はキノコ類が代表で乾燥や加熱により成分が増える。各地の伝統的な汁物の料理は、うま味成分の多い材料を効果的に使っている。
■だし、組み合わせ無限
今回のシリーズの調理科学監修は川崎寛也さん=写真。味の素株式会社の食品研究所で一流店のシェフらと協力し、おいしさと調理法の研究をしています。料理の「だし」を「素材に含まれるうま味の成分と香りの成分を液体に溶かし出し、汁にしたもの」と定義します。
日本の昆布やカツオ節は、うま味と香りの成分が濃縮され、短時間でだしが取れる優れた食品です。ただ、視野を広げれば、身近にだしを取るのに適した素材はいろいろあると言います。「組み合わせは無限で、どんな味わいにしたいのか、デザインする発想で楽しむことができます」と川崎さん。最新の知見から、日常へのヒントを探ります。
◆「ごはんラボ」への感想やご意見、知りたいことをお寄せください。〒104・8011 朝日新聞文化くらし報道部ごはんラボ係、メールはseikatsu@asahi.comメールする。次回(18日)は、削り節と昆布の和風だしを手軽にとって、大根の煮物を作ります。