CHASSESPLEENの日記

2018年2月4日に別府大分毎日マラソンを、山中先生から数秒遅れで完走し、燃え尽き、今後の方向性が定まらぬまま、憂いを払うべく綴る連絡帳。

相変わらず

手厳しい。

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セルジオ越後】ハリルでも西野でも変わらない問題…言われたことしかできなくて何が代表だよ! 

 日本代表のロシア・ワールドカップに向けた壮行試合のガーナ戦は、0-2で完敗の結果に終わったね。大会の2か月前に監督交代のドタバタ劇があったり、新監督が新しいシステムを導入したりと、試合前からいろいろと話題の多かった西野ジャパンの初陣だったけど、結局まだまだ周囲の期待に応えられるようなチームにはなっていないことが分かった。
 確かに、こういう状況になって、西野監督に対して周りからの期待が大きくなるのは頷けるよ。日本人らしいスタイルとか、日本的なサッカーというのを再び掲げて、システムも複数を使い分けて、「何かやってくれるんじゃないか」という期待を抱くのは分かるけど、そう簡単にいくものではなかったね。
 内容を見れば分かるように、攻撃の組み立て方に多少の差はあれど、やっていることは以前とほとんど変わっていなかったし、逆にチームが混乱しているようにも見えた。
 正直、ガーナ戦に関しては3バックをずっと保つ意味はなかったと思うよ。ガーナはそんなに前から来る相手じゃなかったけど、長谷部は両センターバックの間にずっと収まって、相手の守備を崩すような動きはほとんど見せなかったし、誰も積極的にプレスにもいかなかった。ボランチは3バックでのやり方に慣れていないせいか、まるでぎこちなかったし、原口も残念ながら右サイドで消えてしまう時間が多かった。
 かわいそうだったのは大迫で、ガーナ戦の3-4-2-1のフォーメーションは、彼を孤立させるばかりで、まったくいいシステムだとは思わなかった。システムを変えて後ろから組み立ようという意識が強すぎたのか、大迫へのサポートが足りなかった印象だ。
 それでいて前半の失点シーンでは、ゴール前で人数は足りているのに相手にフリーキックを与えて、壁の造りの不味さから直接決められてしまった。どこか、3バックにして自ら混乱していたのが、前半の日本だったように思う。選手は目の前のガーナを相手に戦っているというより、このシステムでも出来るんだよってところを監督に見せたかったのかもしれないね。
 終盤、日本は0対2にリードされて、最後の15分あたりで長谷部を交代、4バックにして敵陣にどんどん攻め込んでいく積極性を見せた。武藤、柴崎、酒井高、あるいは長友が絡んだ連係から、ゴールの匂いを感じさせる攻撃もあった。
 疑問に思うのは、なぜそういう攻撃をもっと早くやらないのか、ということだよ。相手は決して早いタイミングで背後に蹴ってくるようなチームではないのだから、どんどんプレスをかけて押し上げていかないと、前でボールを奪ってからの効果的な攻撃にはつながらないし、逆にチームの重心は下がっていってしまう。それなのに、日本は1点取られても、2点取られても、ちゃんと新しいシステムを守っていたよね。
 結局、3バックにしろ、4バックにしろ、相手に隙があるなら監督の判断なんか待っていないで、ピッチ内の選手たち自身で攻撃的なやり方に変える判断力を持つべきなんじゃないかな。監督が言っていることだけをやっているなら、それは代表チームなんかじゃない。与えられたシステムを従順に守って何もやり方を変えられないなら、相手だってこれほど楽なことはないよ。
雨にもかかわらず、6万4,520人が日産スタジアムを埋め尽くした。代表をサポートする人々へ、チームは歓喜を届けられるだろうか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
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 いったい、西野監督はガーナ戦での何を判断材料として、ロシアに向けた23人を決めるんだろうね。ガーナ戦で及第点を付けられるような選手はあまりいなかったように思うけど、それでも出場した全員が選ばれるとしたら、それほど日本は人材難だということなんだろうし、同じポジションでガーナ戦に出場した選手が選ばれずに出場しなかった選手が選ばれたとしたら、それもまた選考の基準がよく分からないことになってしまう。
 要するに、ガーナ戦は西野ジャパンの初陣かつ最終選考の舞台という位置づけでありながら、試合では全員を試すことができないという、なんとも中途半端な感じにならざるを得なかったわけだ。これは就任した時点でほぼ決定していた状況だったとはいえ、西野監督にはちょっと気の毒だったね。だからといって、時間がないのは分かっていたことだし、時間の多い少ないに関わらず、本大会では結果を出さなければ責任が問われるのも分かっていることだよね。無論、西野監督に交代するという選択をした日本協会が負うべき責任は大きいよ。
 そうした期待が大きいからこそ、ガーナ戦の完敗は、我慢ならないという人もいただろうし、実際にスタンドからはブーイングも聞こえたけど、そのボリュームは決して大きくはなかった。まあ、日本ではワールドカップで勝とうが負けようが、別にどっちでもいいと思っている人が多いんだろうね。
 それがあのブーイングの大きさに現われているし、だいたい大雨の中であんな体たらくの試合を見せられたら、ブラジル人やスペイン人は間違いなく途中で家に帰っているよ。それでも多くの人が帰らなかったのは、試合の後にコンサートがあったおかげでしょ。
 試合後に印象的だったのは、インタビューを受けていた西野監督の表情。「良いところもあった」「いいチャレンジができた」なんて言っていたけど、決して明るい展望を見出せたような表情じゃなかったし、「これは思った以上に大変な作業だな」って実感しているのが本心じゃないかな。
 結局、協会が求めた“コミュニケーション”はあっても、勝つことはできなかった。今頃、ハリルホジッチはどんな想いでいるんだろうね。

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